私たちは長い人生を歩む間に、どうにもならない不愉快な立場に立たされることが多い。それはどうにもしようもない。選択は私たちの自由である。そういう立場を天命として受け入れ、それに自分を順応させることもできるし、あるいは一生を台無しにしてまでも反抗し、神経衰弱になることもできる。
「もはや動かしがたい事態に対して、潔く従われんことを」死刑を宣告したソクラテスに好意的だった牢番が毒杯をすすめながら言った言葉。彼は神々しいまでの平静さと諦観を持って死に臨んだ。
神よわれに与えたまえ。変えられないことを受け入れる心の平静と、変えられることを変えていく勇気と、それらを区別する叡智とを。
(デール・カーネギー)